漢方ブログ

アトピー性皮膚炎

皮ふには外部から入ってくる刺激を防ぐためのバリア機能がそなわっています。アトピー性皮膚炎の方はその皮ふのバリア機能が低下することによって起こってきます。
そのため少しの刺激でかゆみが起こり、そこをかき壊してしまうとさらに皮ふのバリア機能が低下するという悪循環におちいります。
アトピー性皮膚炎ですが漢方では症状や体質により治療方法が異なります。

タイプの違う3人の方の症例


アトピー部分を触ると熱い感じがして、お風呂に入った後は特にかゆみが強くなるんですよ。
そういう時は氷とか水で冷やしてあげると、かゆみが和らぐんですよね。

この方は、患部に熱症(炎症が強く熱を持っている)が起こっています。治療方針としては患部の熱を取り除く必要があります。
そのため熱を下げる作用のある黄連や石膏が配合されている、「清熱薬」というものを中心に用います。
炎症を鎮めることにより徐々にかゆみや肌の状態が改善していきます。


いつもじくじくと湿ってて、気づくと水ぶくれができてます。特に梅雨の時期が調子が悪くって・・
痒いからってかいちゃうと、液がでてきてその後すごく赤くなっちゃうんです。

この方は、水滞(水の代謝が悪くなる)が起こっています。治療方針としては身体の水の流れを整えることが必要です。
生薬としては白朮・木通といった、「利水薬」が配合されている漢方薬を用います。
水の代謝が改善していくとじくじくした状態が少なくなります。



つねに乾燥してて触るとざらざらしてます。寝てるときにかいちゃってるのか朝起きると布団に粉がたまってます。特に冬は辛いです。

この方は、体内の潤いや皮膚の栄養が不足した状態です。治療方針としては、陰血(水分と血液)を補い、肌に栄養を与える必要があります。
「補陰・補血薬」である地黄・当帰といった生薬を中心とした漢方薬を使用します。
薄くひび割れていた肌に身体の中から栄養が補われていくと、徐々に正常な肌に近づいていきます。

 

根本改善をするためには

アトピー性皮膚炎の症状としては主にかゆみ・赤み・乾燥・湿潤(じくじくと液がでる)があります。

上記の3人の方の症例でも述べましたが、かゆみなどの症状がでるのは身体に何かしらの原因があるためです。
主に治療に使用されるステロイド剤は症状を抑えることは出来ますが一時しのぎにすぎません。
漢方薬での根本改善を目指しませんか?

[2021/07/31]