漢方ブログ
中医学から考える不眠のタイプと代表的な漢方薬・処方①②
1. 気血不足(きけつぶそく)
気と血が不足し、心神(精神活動)を十分に養えない状態です。疲れやすい、顔色が悪い、動悸、眠りが浅い、夢が多いなどの症状がみられます。
人参養栄湯(にんじんようえいとう):気血を補い、体力や栄養状態の低下を改善する目的で用います。疲労、食欲不振、息切れなどを伴う場合に用います。
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):気血の両方を補う処方。疲れやすさ、顔色不良、体力低下などが目立つ場合に用います。
帰脾湯(きひとう):心血と脾気を補い、精神を安定させる代表的な処方。疲れやすく、食欲がなく、動悸や不眠を伴う場合に用います。
加味帰脾湯(かみきひとう):帰脾湯に清熱作用を持つ生薬などを加えた処方。不眠や不安に加え、イライラ、のぼせなどがみられる場合に用います。
心脾顆粒(しんぴかりゅう:心と脾の働きが弱まり、気血が不足して心神を十分に養えないタイプに用いられる漢方薬。疲れやすい、食欲がない、動悸、不安感、物忘れ、眠りが浅いなどの症状がある場合に用います。
2. 肝鬱化火(かんうつかか)
ストレスなどで肝の気の巡りが滞り、それが熱や火に変わった状態です。イライラ、怒りっぽさ、顔のほてり、口の苦み、頭痛、寝つきの悪さなどが特徴です。
① 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):気の滞りや精神的な高ぶりを整える処方。不安、動悸、緊張などを伴う場合に用います。
② 加味逍遙散(かみしょうようさん):気の巡りを整え、熱を冷ます方向に働く処方。ストレスによるイライラ、気分の波、のぼせなどがある場合に用います。
③ 竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう):肝胆の強い実熱や湿熱を冷ます処方。口の苦み、赤ら顔、排尿や生殖器の湿熱症状など、熱や湿熱が強い場合に用います。
同じタイプの不眠ではありますが、熱の強さや気の滞り、湿熱の有無などによって使い分けます。